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澄んだおだしのような絵


      50年近く絵を描いてきて

たどり着いたところは

植物画の世界


下を向いて歩く私に

花が語りかけてくれた

絵を描くことは好きだけど

何を描きたいのかわからない

主張したい事もなく

激しい感情もない

絵描きとしての強い個性もない 

でも

描き続けたら何か見えるかもしれない

今回の展示作品から

見えてきたことは

濁りのない透明なもの

鰹だし

昆布だし

煮干しだし

フツフツとゆっくり煮出し

網でこす

黄金色のおだし

あらゆる濁りをこして

残ったもの

けして

主役にはなれないけれど

味を左右する大切な隠し味


自分が見えてきたような気がする



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